2023年9月28日
SDGs経営とは?メリットと注意点、導入ステップまで詳しく解説
SDGs経営とは、企業が「持続可能な開発目標(SDGs)」を経営戦略に取り入れ、社会課題の解決を通じてビジネスの成長を目指す考え方です。企業は、環境・社会・経済の三つの側面をバランス良く持続可能な形で発展させることを目指し、その取り組みにより競争力を高めたり、イメージアップを図ることができます。
目次
- 1.そもそもSDGsとは
- 2.SDGs経営とは?
- 3.なぜSDGs経営が必要とされているのか
- 4.SDGs経営のメリット
- 5.貢献できそうな目標から取り組めばよい
- 6.SDGsに取り組まないとどうなる?ペナルティは?
- 7.SDGs経営を導入するステップ「SDGsコンパス」
- 8.SDGs経営の注意点・課題
- 9.SDGs経営を実現させるためのポイント
- 10.新型コロナウイルス流行のせいでSDGsの進捗が遅れている?
- 11.17の目標は5つの「P」に分類される
- 12.日本の政府によって示された「8つの優先課題」とは?
- 13.CSRやESG経営とSDGs経営の違いとは?
- 14.SDGs経営の相談はスリーエーコンサルティングのSDGsサポート
- まとめ
1.そもそもSDGsとは
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、「持続可能な開発目標」のことを指します。
SDGsは2015年に国連総会で採択された「2030アジェンダ」に含まれている17の目標と169のターゲットから成っており、地球上の全ての人々と地球自体の持続可能な未来を目指すものです。
2.SDGs経営とは?
SDGs経営とは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、以下SDGs)を企業の経営戦略に組み込み、経済的・社会的・環境的な側面をバランスよく考慮しながら成長を目指す経営アプローチです。
2015年に国連で採択された2030年アジェンダにて提案されたSDGsは、17の目標と169のターゲットからなり、貧困、飢餓、健康、教育、ジェンダー平等、エネルギー、気候変動など、国際社会が取り組むべき課題が網羅されています。
3.なぜSDGs経営が必要とされているのか
近年、地球規模で抱える課題やリスクが増え、企業の社会的責任や持続可能な成長が求められるようになっています。
そこで、SDGsに基づく経営を行うことで、企業は現代社会が抱える諸問題を解決し、同時に競争力を高めることができます。
また、SDGsは国際社会で共通の目標となっており、これに取り組むことで企業は国内外での信頼性や社会的評価を向上させることができるため、ビジネスチャンスを創出することが期待できます。
4.SDGs経営のメリット
SDGs経営には、以下のようなメリットがあります。
①企業への信頼や価値・イメージの向上、ライバルとの差別化
②新たなビジネス機会の創出
③ 将来の人材獲得
④ 従業員のモチベーションアップ
⑤入札加点・融資対象になるケースも
5.貢献できそうな目標から取り組めばよい
「SDGs17の目標すべてに取り組まなくては」と考える人もいますが、幅広い項目が目標となっているため、すべての目標に取り組むのは現実的でない場合もあるでしょう。
できることから取り組みをはじめたら良いです。
6.SDGsに取り組まないとどうなる?ペナルティは?
SDGsは法的な義務ではなく、違反に対する罰則、ペナルティも存在しません。
しかし、企業がSDGsに取り組むことは社会的な期待となっており、その取り組みが企業の評価に大きく影響します。
環境や人権に対する社会的な視線は厳しく、SDGsに反する行為を行うと、消費者や取引先、投資家などのステークホルダーからの信頼を失う可能性があります。
7.SDGs経営を導入するステップ「SDGsコンパス」
SDGs経営を成功させるためには、「SDGsコンパス」と呼ばれている以下のステップに沿うとよいでしょう。
① SDGsへの理解を深める
② 優先的に取り組むべき課題を明確化する
③ 目標とアクションプランを設定する
④ 経営に統合し、実行可能な戦略に落とし込む
⑤ 定期的に評価と改善を行い、進捗状況を報告する
8.SDGs経営の注意点・課題
SDGs経営を進める上で、注意すべきポイントや課題は以下の通りです。
(1) 社員がSDGsを理解していない
SDGsの担当者だけがSDGsを理解して運営している状態は避けましょう。SDGsに関する研修や教育を行い、全社の理解を深めてから取り組みましょう。
(2) 絶対にしてはいけない「SDGsウォッシュ」
SDGsウォッシュ(SDGs washing)とは、企業や組織が持続可能な開発目標(SDGs)に取り組んでいると見せかけることです。取り組んでいない、実際のところ、SDGs活動をできていないのにやっていると言っている、自らのイメージアップを図ろうとする行為のことを指します。
SDGsウォッシュは、企業の社会的な評価や信頼性を損ねるだけでなく、持続可能な開発目標の達成に対する足かせともなりかねません。したがって、企業が真にSDGsに取り組むためには、自社の事業活動や経営方針にSDGsを組み込むことが重要で、単なる表面上のアピールに終わらせず、組織全体での実践や改善が求められます。
(3) 企業理念や経営方針との整合性がとれない
SDGsと企業理念・経営方針を組み合わせることで、一貫性を持たせることが大切です。
9.SDGs経営を実現させるためのポイント
SDGs経営を成功させるためには、以下のポイントが重要です。
(1) トップダウンで経営方針を明確に示す
(2) 社員の理解・協力を得るための教育・研修を実施する
(3) 社内外にアピールすることで、意識改革を促す
(4) 定期的なモニタリングや評価を行い、改善策を講じる
10.新型コロナウイルス流行のせいでSDGsの進捗が遅れている?
新型コロナウイルスは多くの企業に影響を与え、SDGsの進捗にも遅れが見られることもあります。
しかし、これを機に企業が柔軟性や持続可能性の重要性を再認識し、SDGs経営への取り組みを再検討するきっかけとなることも期待されます。
11.17の目標は5つの「P」に分類される
SDGsの17の目標は、「People(人)、Planet(地球)、Prosperity(繁栄)、Peace(平和)、Partnership(パートナーシップ)」の5つのPに分類され、バランスの良い持続可能な発展を目指しています。
12.日本の政府によって示された「8つの優先課題」とは?
日本政府が重視しているSDGsの「8つの優先課題」は、以下の通りです。
①あらゆる人々の活躍の推進
②健康・長寿の達成
③成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
④持続可能でレジリエントな国土と質の高いインフラの整備
⑤省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会
⑥生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
⑦平和と安全・安心社会の実現
⑧SDGs 実施推進の体制と手段
引用:首相官邸ホームページ https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/dai2/siryou3.pdf
これらの課題は、日本が持続可能な社会を構築するために特に注力すべきとされています。
特に、先進国の中で遅れを取っているジェンダー平等指数や、地震や洪水などの災害への対策を考慮したものと言えます。
13.CSRやESG経営とSDGs経営の違いとは?
CSR(Corporate Social Responsibility)は企業の社会的責任に着目した経営手法であり、ESG(Environment, Social, Governance)経営は環境・社会・企業統治の要素を経営戦略に組み込む手法です。
これに対して、SDGs経営は国際的な持続可能な開発目標に取り組むことで、ビジネスチャンスを創出し企業価値を高めることを目指しています。
14.SDGs経営の相談はスリーエーコンサルティングのSDGsサポート
スリーエーコンサルティングは、SDGs経営の導入に関する相談やサポートを展開しており、企業の取り組みを支援しています。
まとめ
SDGs経営は、企業の競争力向上や社会的評価の向上に繋がるため、今後ますます重要性が高まっていくでしょう。
企業には、SDGs経営を導入し、社会課題の解決を通じて企業価値を高めることが求められています。
今回紹介したステップやポイントを踏まえて、ぜひSDGs経営の導入に取り組んでみてください。